2008年7月26日土曜日

ステッチ!ステッチ!





今年の3月にOPENした雑貨屋さん「Jolie Toujours池袋パルコ店」がJCD デザインアワード2008とDDAディスプレイデザイン賞2008に入選しました。

その妹バージョン「Jolie Toujours Cadette」が9月末にイオンモール越谷レイクタウンにてopenします。
「Jolie Toujours」ではクラシカルな様式の世界をシルエットのみで表現したポップアップカードのような空間です。これは3次元のものを2次元に抽出する作業でした。今回の「Cadette」はまったく逆の試み。2次元の物を3次元で表現する作業です。
テーマは「立体刺繍」
まだ途中までしか出来ていませんが、壁に床に、什器に、ステッチが空間を埋め尽くしてゆきます。刺繍は一針一針ハンドメイドで縫ってゆく作業ですが、今回の現場でも本当にハンドメイドなのです。

まずは、塗装によるステッチが完成しました。一つ一つ丁寧に縫い付けてゆきます。次は什器の有孔合板に毛糸を縫い付けてゆく作業です。

完成まであと2ヶ月…。チクチク、チクチク。

2008年7月14日月曜日

アール・ブリュット



「ART BRUT/アウトサイダーアート」との出会いは2003年2月11日。
一人で旅行していたNEW YORKでMOMAが建設中だったので、その隣に建つ小さな美しいビル「AMERICAN FORK ART MUSEUM」に入ったのが最初の出会いでした。
このミュージアムはアールブリュットから世界の民芸品までボーダレスな作品の展示をしており、私が中学生の頃からなぜか好きだったゾンネンシュターンやメキシコの民芸品、今では日本でもおなじみになったヘンリーダーガーなど、好きなものが集まっている夢のような場所で、大興奮したのもでした。
そしてそれらは、「ART BRUT/アウトサイダーアート」というジャンルであるという事を初めて認識したのでした。

思えば私は、芝居にしろ、お笑い芸人にしろ、「どうしてこの人はこんな様にしか生きられないんだろう…」というような、他の追随を許さないテンションのものに惹かれて来ました。アール・ブリュットに惹かれるのもそういったところなのでしょう。

松下電工汐留ミュージアムでおなわれている「アール・ブリュット/交差する魂」展を観て来ました。思っていたより展示作品も多く久しぶりに興奮しました。この展示で、初めて多くの日本のアール・ブリュットコレクションを観ました。どの作品も強度があり、とても刺激を受けました。また日本でもこの分野がきちんと根付いていることを知り嬉しく思いました。

デザインの仕事ではクライアントを説得する為や社会を意識した「コンセプトや時代性」にどうしても時間や重きをおいてしまいがちですが、あらためて「時間をかけて手を動かすことによって得るものの美しさや密度の強さ」の重要性を考えさせられました。

7月21日まで開催しています。
もらったチケットがまだ余っているので、興味のある人は是非。
私ももう一回行きたいです。